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文献詳細

雑誌文献

臨床外科23巻12号

1968年11月発行

文献概要

論説

感染を合併せる血管移植例の血行再建術

著者: 大原到1 大内博1

所属機関: 1東北大学医学部葛西外科教室

ページ範囲:P.1801 - P.1808

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はじめに
 血管に対する直接的手術が多くなるにつれて,血管再建のために代用血管が使用されることが多い.しかしながら代用血管,なかでも合成線維管を血行再建に用いた場合,感染を併発する危険が多かれ少なかれ存在する.その頻度は,Fry等1)によれば890例中12例,1.34%,Hoffert等2)は,20例中12例,60%と述べている.
 感染による合併症は,縫合不全に由来する仮性動脈瘤の形成,大量の出血,または血管の閉塞であるが,その予後は概ね不良で,なかでも大動脈の場合は死亡率は高く,Fry等1)は感染代用血管の12例中9例死亡,死亡率75%と発表し,一方Hoffert等2)は腹部大動脈より膝窩動脈の範囲内に移植した症例12例中3例死亡,死亡率25%と述べ,9例は肢切断(大腿部7例,膝下部2例)をうけたと報告している.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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