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術前,術後管理の実際—1.入院より手術まで
著者: 石塚玲器1 宮川清彦1 前川隆1 壇上泰1 田中信義1 葛西洋一1
所属機関: 1北海道大学医学部葛西外科教室
ページ範囲:P.1823 - P.1830
文献購入ページに移動手術を目的(Elective Surgery)として入院して くる患者の術前・後における管理は,従来,幾多の成書に述べられている.しかし,初心の医師は もとより,経験豊かな外科医にあつても,理論的なオーダー(指示)が必ずしも実際的でなく,そのため,自分の意に即しない場合が日常の患者管理に生じることがある.入院と同時に始まる患者の環境,安静度,食餌の規定が記載されず,鎮痛剤,抗生物質,補液などの指示が医師,看護婦間に何の疑問もなく先行しているところが少なくない.筆者は,国内の大学病院より私立病院の実態と,米国における大学病院,著名な私立病院の臨床体験にもとづき,若い外科医の臨床的なトレーニングの面で,現在の医学教育のひずみを感じていたが,たまたま自分が,予期せぬ疾患で開胸手術を受け,以上の問題を患者の立場より眺める機会を得たので,ここに医師,看護婦,患者の三面から従来の管理を再検討し,手術に関連せる病態生理の立場から体液,電解質,酸塩基平衡などの代謝面を中心にoutlineを述べる.
本文では,また,海外留学および視察の場合に欧米の臨床医学のConference Roundにのぞんで,理解を容易にするため,最少限の実用医学英語およびラテン語(この文の最後に一覧表を附す)を実際のチャート形式で挿入し,各項目毎に必要な説明を加えた.
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