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文献詳細

雑誌文献

臨床外科23巻13号

1968年12月発行

文献概要

特集 癌外科の進歩—現状と将来

皮膚悪性腫瘍

著者: 石原和之12

所属機関: 1国立がんセンター病院皮膚科 2横浜市大医学部

ページ範囲:P.1938 - P.1940

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はじめに
 一般に皮膚癌というと表皮より発生する基底細胞癌と有棘細胞癌に大別されるが,厳密にいえば皮膚の付属器(汗腺および脂腺)より発生する腺癌あるいは表皮内および表在性癌性変化を示すパージェット氏病,ボーエン氏病,紅色肥厚症およびいわゆる多発性扁平表在性表皮腫などが含まれる.この他,しばしば皮膚に原発せる悪性腫瘍として知られているものに悪性黒色腫,悪性淋巴腫(細網肉腫,菌状息肉症など),皮膚線維肉腫その他などがあげられる.
 われわれは,最近約5年間における国立がんセンターに来院した皮膚悪性腫瘍患者は216例によおび,その内訳は有棘細胞癌154例,基底細胞癌28例,パージェット氏病6例,ボーエン氏病2例,悪性黒色腫14例,腺癌3例,血管肉腫1例(カポジーの肉腫),細網肉腫4例,菌状息肉症4例である.このうち,比較的多く発症を見る有棘細胞癌,基底細胞癌および悪性黒色腫について言及したい.治療を施行するに当つて皮膚悪性腫瘍も,他の内臓癌と同様,早期発見による早期治療は,これを根治せしめる最善の方法であることは当然のことである.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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