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文献詳細

雑誌文献

臨床外科23巻2号

1968年02月発行

文献概要

特集 出血の問題点

出血と輸血

著者: 林久恵1 川田高俊1

所属機関: 1東京女子医科大外科

ページ範囲:P.201 - P.206

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はじめに
 出血による生体の循環血液量の不足には輸血が最良の治療である.外科手術の場合は出血量は正確に測定することが可能であるので,その出血量にあわせて,これに相当する量の輸血を行なえばよいので,輸血量の決定は容易である.しかし,外傷や不時の出血の場合は,正確には体内の循環血液量を測定し,それによつて出血量を推定し,輸血量を決定する必要があるが,急の場合には簡単に呼吸数,脈拍数,血圧,血液のHb,Ht値の測定により,これを基準として輸血を行なわなければならない.また輸血を行なう場合,種々の検査や手続を経なければならないので,手軽には輸液を用いた方が便利であるが,出血後,全血量の回復することのできるのは主として血漿によってなされ,赤血球は急に補充されないので,人工赤血球がない限り輸液使用には限度がある.これらの量からみた,輸血,輸液量の適応や血液製剤,代用血漿の種類,適応ならびに体外循環時の血液の使用検討,輸血の副作用につき私共の経験をもととして述べる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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