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特集 出血の問題点
外科領域における出血傾向
著者: 砂田輝武1 志水浩1 河合進1 重本弘定1 藤山登1 尾崎光泰1 中矢良一1 島村幸夫1 大本武千代1 田淵三郎1 熊田佳郎1 林繁樹1 藤谷良幸1 源佑一郎1 山田良1
所属機関: 1岡山大学医学部外科教室
ページ範囲:P.207 - P.216
文献購入ページに移動外科手術は正常な止血機構を前提としてなり立つ治療手段であり,日常外科医を訪れるほとんどの患者は出血傾向に関しての心配がないのが通例である.しかし時として先天性,後天性の原因による出血傾向,すなわち皮膚皮下の点状出血,紫斑,粘膜出血,さらには手術創からの滲みだすようなとめどもない出血(oozing)があらわれ,出血が多いとショックに陥り死の転帰をとることさえある.ときたまではあつてもこういうことが起こると大変困惑させられる.
外科領域でみられる出血傾向は,失天性の出血性素因のほか,心,肺,膵,前立腺,子宮の手術,癌手術,体外循環,低体温法,保存血大量輸血,不適合輸血,ショック・アノキシア,肝障害,悪性腫瘍の末期,外科的血液不全症,抗凝固療法,ある種の心血管疾患,麻酔,炎症,熱傷,放射線照射,精神的不安などにさいしてみられる.
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