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論説
補助循環の研究に関する綜括的展望
著者: 田辺達三1
所属機関: 1北海道大学医学部杉江外科
ページ範囲:P.223 - P.229
文献購入ページに移動はじめに
代償不全に陥りいろいろな内科的療法にもかかわらず回復させ得ない心臓の機能を,機械的に補助またはまつたく代行し,心筋の負荷を軽減し,十分な循環を維持して,生命の延長を計る研究が近年重ねられている.1時的に循環を補助する目的で補助循環,半永久的に循環を代行する目的で副心臓,完全代用心臓,または,心臓移植等が取上げられているごときが主なものである4).
著者は,最近米国におけるこの方面の研究について若干見聞する機会を得たので,ここでは補助循環の研究の動向を総括紹介したい.広義の意味では心臓循環補助,呼吸機能補助,代謝機能補助の面から,代償不全心,ショック,進行性窒息,低酸素血症,炭酸ガス中毒,代謝性アチドーシス,腎性昏睡,肝性昏睡,外因性中毒等が対象として考えられているが,ここでは主として心臓循環補助を目標とする狭義の補助循環について論じたい.
代償不全に陥りいろいろな内科的療法にもかかわらず回復させ得ない心臓の機能を,機械的に補助またはまつたく代行し,心筋の負荷を軽減し,十分な循環を維持して,生命の延長を計る研究が近年重ねられている.1時的に循環を補助する目的で補助循環,半永久的に循環を代行する目的で副心臓,完全代用心臓,または,心臓移植等が取上げられているごときが主なものである4).
著者は,最近米国におけるこの方面の研究について若干見聞する機会を得たので,ここでは補助循環の研究の動向を総括紹介したい.広義の意味では心臓循環補助,呼吸機能補助,代謝機能補助の面から,代償不全心,ショック,進行性窒息,低酸素血症,炭酸ガス中毒,代謝性アチドーシス,腎性昏睡,肝性昏睡,外因性中毒等が対象として考えられているが,ここでは主として心臓循環補助を目標とする狭義の補助循環について論じたい.
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