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文献詳細

雑誌文献

臨床外科23巻2号

1968年02月発行

症例

手術室内空気汚染に関する問題—とくにトリエチレングルコール使用経験について

著者: 中山恒明1 織畑秀夫1 秋田善昭1 倉光秀麿1 榊原宣1 山本勲1

所属機関: 1東京女子医科大学外科

ページ範囲:P.281 - P.284

文献概要

はじめに
 手術室内空気の細菌学的清浄法に関しては,いろいろと考えられてきた問題である1)2).また手術室の設備としての無菌空気送風による冷暖房換気の必要性が力説されている3).Phelps4)によれば,外科手術室の備えるべき条件として,1)落下細菌数0,2)気温24〜26℃,3)湿度50〜55%,4)必要にしてじゆうぶんな換気の4つをあげている.手術室を厳重に密閉し,無人室内の空気を清浄にすることは比較的容易であるが,実際問題として手術施行時,患者のみならず,術者をはじめ多数の人員が室内に出入するので,厳重に密閉した無菌的空気中で手術を行なうことは非常にむずかしい.いままで,手術室内空気の細菌性汚染を制御することについて理論的にはつぎのような方法で研究されてきた.1)エアーコンディショニング(空気調節).2)温度および湿度の調整.3)細菌濾過装置.4)室内殺菌灯の使用.5)手術室内職員の着衣.マスク,帽子およびスリッパの清浄化,6)殺菌性ベーパーの使用などである.最近われわれはいままであまり臨床的に応用されていなかつた殺菌性ベーパー,とくにトリエチレングルコールを使用する機会をえたので,その使用経験について報告したい.なお,トリエチレングルコールは,つぎのごとき化学構造をもっ無色透明,やや粘度の高い無臭の液体で,化学的な殺菌作用については明らかにされていない.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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