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特集 術後困難症の処置
頭部手術後の頭痛・嘔吐
著者: 宮崎雄二1
所属機関: 1札幌医科大学脳神経外科
ページ範囲:P.307 - P.311
文献購入ページに移動はじめに
近年の脳神経外科の進歩普及は著るしいものがあり,各種脳手術の成績もめざましい向上を示している.これは手術後数日間にわたる注意深い患者観察と慎重なCareが一つの原因であり,この間の髄液圧調整など患者管理については諸家によつて多くの関心がはらわれている.これに反し脳手術後,相当日をへてから出現する頭痛や嘔吐などについてはあまり関心がはらわれていない.
本誌特集の表題は『術後困難症の処置』であるが,脳手術後においては胸腹部手術後におけるような意味の術後困難症,すなわち手術そのものが直接または間接に影響して他の病的状態を招来し,しかもその処置が困難を極めるというようなものは多くはない.たとえば頭部外傷例において頭蓋内血腫除去手術を行ない救命し得たような例では軽症頭部外傷例に反し,頭痛や眩暈を長く訴えることはむしろ少ない.
近年の脳神経外科の進歩普及は著るしいものがあり,各種脳手術の成績もめざましい向上を示している.これは手術後数日間にわたる注意深い患者観察と慎重なCareが一つの原因であり,この間の髄液圧調整など患者管理については諸家によつて多くの関心がはらわれている.これに反し脳手術後,相当日をへてから出現する頭痛や嘔吐などについてはあまり関心がはらわれていない.
本誌特集の表題は『術後困難症の処置』であるが,脳手術後においては胸腹部手術後におけるような意味の術後困難症,すなわち手術そのものが直接または間接に影響して他の病的状態を招来し,しかもその処置が困難を極めるというようなものは多くはない.たとえば頭部外傷例において頭蓋内血腫除去手術を行ない救命し得たような例では軽症頭部外傷例に反し,頭痛や眩暈を長く訴えることはむしろ少ない.
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