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文献詳細

雑誌文献

臨床外科23巻3号

1968年03月発行

文献概要

特集 術後困難症の処置

虫垂炎手術後の腹痛

著者: 西島早見1 伊槻敏信1

所属機関: 1徳烏大学医学部第1外科

ページ範囲:P.325 - P.333

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はじめに
 虫垂炎はわれわれ外科医にとつて日常最も多く遭遇する疾患で,治療的には虫垂切除術が卓効を示す.外科の進歩,とくに化学療法の発達,麻酔の進歩,輸液療法の普及化などとあいまつて,今日虫垂切除術は最も容易で安全な開腹術として広く行なわれつつあり,日本全国における虫垂切除例数はおびただしい数にのぼつているものと思われる.その反面,多数の症例のうちには術後合併症や後遺症のために医療を必要とするものや再開腹術を必要とする症例は決して少なくない.外科医は常に反省しつつ,手術に際しては細心にして周到綿密な注意が必要である.
 従来われわれは腹膜癒着の問題を中心にして各種開腹術後の困難症について検討を加えてきたが,ここには主として虫垂術後障害のうち,とくに腹痛を呈する疾患について検討を加えたい.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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