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論説
超音波記録診断装置,スーパーソノグラムとその臨床応用—とくに胆石症の診断について
著者: 三樹勝1 藤島義一1 谷口恒義1 矢部三郎2
所属機関: 1日本医科大学松倉外科教室 2八幡電気産業超音波研究部
ページ範囲:P.355 - P.366
文献購入ページに移動オーストリアのK.T.Dussik1)が頭蓋内疾患の診断に超音波透過法による実験を行なつたのは,1942年のことであるから,超音波が医学の分野に応用され始めてから二十数年を経ているわけであるが,魚群,潜水艦などの探知,測深を目的としたSonar,重金属材質中の傷の探知を目的とした探傷器などに超音波の利用が早くより実用化されていたのに比して,超音波診断法として実地臨床上に応用され始めたのは,Wild(1950)2),菊池(1951)3),らの基礎的研究を経た後の1956年以降のことで,なかんずく,わが国における菊池,田中,和賀井,内田4)らの研究業績に負うところが大であると共に,診断装置の進歩発達が大なる要因ともなつている.
今日では,生体に無害で患者にまったく苦痛を与えないで済むという利点が生かされて,頭蓋内疾患,乳腺疾患,甲状腺疾患,肝胆道系疾患,心疾患等々,医学各部門への普及は目ざましいものがあり,胆石症の診断分野でも今日routineの検査となりつつある.
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