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文献詳細

雑誌文献

臨床外科23巻3号

1968年03月発行

文献概要

症例

尿性腹膜炎

著者: 森岡恭彦1 金子信俊1 菱本久美郎1 額田克海1 間中純也1

所属機関: 1東京大学医学部第1外科

ページ範囲:P.419 - P.425

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はじめに
 尿路系とくに膀胱の損傷で尿が腹腔内に漏出すると,いわゆる尿性腹膜炎となる.尿性腹膜炎は比較的まれな疾患とされているが,救急症例としてときに一般外科医によつても経験されることがあり,とくにその診断に苦しむことがある.著者らは,最近までに6例の尿性腹膜炎を経験したのでとくに一般外科医の立場より,本疾患の診断上の問題点について言及したいと思う.
 尿路系の損傷でしかも腹膜に損傷が併存すると,尿が尿路外へ漏出し,さらに腹腔内に貯溜し尿性腹膜炎の状態となる.これは膀胱損傷で起こることが多いが,尿管・腎盂などの損傷でもきわめてまれにおこることがある.ここではおもに膀胱損傷について述べる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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