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文献概要
症例
尿性腹膜炎
著者: 森岡恭彦1 金子信俊1 菱本久美郎1 額田克海1 間中純也1
所属機関: 1東京大学医学部第1外科
ページ範囲:P.419 - P.425
文献購入ページに移動尿路系とくに膀胱の損傷で尿が腹腔内に漏出すると,いわゆる尿性腹膜炎となる.尿性腹膜炎は比較的まれな疾患とされているが,救急症例としてときに一般外科医によつても経験されることがあり,とくにその診断に苦しむことがある.著者らは,最近までに6例の尿性腹膜炎を経験したのでとくに一般外科医の立場より,本疾患の診断上の問題点について言及したいと思う.
尿路系の損傷でしかも腹膜に損傷が併存すると,尿が尿路外へ漏出し,さらに腹腔内に貯溜し尿性腹膜炎の状態となる.これは膀胱損傷で起こることが多いが,尿管・腎盂などの損傷でもきわめてまれにおこることがある.ここではおもに膀胱損傷について述べる.
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