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外科の焦点
冷凍血液の臨床応用
著者: 隅田幸男1 田代稔1 奥山綏夫1 亀谷寿彦1
所属機関: 1東邦大学医学部第1外科
ページ範囲:P.443 - P.453
文献購入ページに移動Landsteiner(1901)が血液型を発見して以来,輸血は外科領域において常に重要な役割を占めてきた.ところが,今日ではその副作用と血液不足の悩みは次第に大きくなり,深刻な社会問題にまで発展してしまつた.にもかかわらず,半永久的長期保存とO型万能輸血が可能で,血清肝炎や輸血反応も皆無に近いなど,数々の利点を持つ冷凍血液の臨床的研究は本邦では非常に遅れている3)4)5)6).1965年教室では本研究に着手して以来21)-27)192本(1968年2月末まで)の冷凍血液を64人の外科患者に輸血し,以下のような成績を得た.ここに,その研究の概要と臨床応用に際して得られた2,3の新知見とを卒直に述べてみょう.
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