臨床外科23巻4号

1968年04月発行

他科の知識

交通事故と尿路損傷

著者： 堀内誠三¹²

所属機関： ¹三井厚生病院泌尿器科 ²東京大学

ページ範囲：P.555 - P.559

文献概要

はじめに
　腎，尿管は腹膜後腔に位置し，後面は肋骨，脊柱と発達した筋肉により，膀胱は骨盤内にあるので，比較的よく外力より保護されており，尿路損傷は稀であると考えられていた．
　しかし工業の繁栄と交通の発達に伴い，尿路損傷が増加している．特に交通外傷によるものは米国では50％前後で，本邦でも戦前の30％より，最近は40〜50％に増加している．