icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床外科23巻5号

1968年05月発行

グラフ

人工弁—各種人工弁ならびにSAM弁の臨床

著者: 新井達太1

所属機関: 1東京女子医科大学外科

ページ範囲:P.585 - P.590

文献概要

 人工弁研究の歴史は,心臓外科の黎明期にあたる1952年頃にさかのぼる.機能の廃絶した心臓の弁膜を何らかの形でこれに代わる機能を有する人工弁をもつて,機能を正常に近づけようとした.この試みはHufnagelのBall弁をもつて研究の門が開かれた,その後,Ball弁の改良,大動脈弁のHomograftを用いた実験と臨床,Leaflet Valveの研究が盛んに行なわれる様になつた.
 1960年から1962年頃にかけては,Leaflet Valveが脚光をあびた.これはTeflonの布を用いたもので,Teflonの布が柔かく,天然の弁に近い型を作ることができ.天然の弁の機能に近かつたからである.しかし,1963年の中期になると,TeflonのLeafletValveに批判の声が出てきた.すなわち,弁の穿孔,弁の萎縮,弁の肥厚による弁機能の脱落である.最も多くLeaflet Valveを使用していたClevelandのE.B.Kayも1964年には多くの欠点を見出して,Ball弁を使用するに至り,TeflonによるLeaflet弁は全く用いられなくなつた.それに代つて脚光をあびて来たのがBall弁である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら