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特集 臓器移植の可能性
肺移植の臨床応用の可能性
著者: 辻泰邦1 調亟治1 富田正雄1
所属機関: 1長崎大学医学部第一外科教室
ページ範囲:P.625 - P.631
文献購入ページに移動臓器切除による外科的治療の限界が次第に認識されてくるに従つて,臓器移植の臨床応用が近代外科学の重要な課題として研究されるようになつた.肺外科の分野もこの点においては期を一にしている.肺の移植実験は世界の胸部外科医の過去15年間に亘る絶えざる努力によつて,自家ならびに同種肺移植に関する生理・免疫学的な多方面での基礎知識に漸次明らかとなり,加うるに数例の臨床例が行なわれた.たとえ短期間の生着しかえられなかつたとはいえ,今後における臨床応用の進歩に大きな役割を果たしたものといえよう.ここに最近における肺移植の概況と臨床応用にあたつて障害となつている諸問題点について述べる.
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