icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床外科23巻6号

1968年06月発行

文献概要

特集 木本誠二教授退官記念特集

担癌宿主の抗腫瘍性反応

著者: 卜部美代志1

所属機関: 1金沢大学医学部第1外科

ページ範囲:P.730 - P.744

文献購入ページに移動
はじめに
 腫瘍の特異抗原の同定は現在なお十分でないが,腫瘍の増殖についてantigenic loss,あるいは,antigenicsimplificationの考え方を適用する人もある.腫瘍の増殖は宿主抵抗の減弱に伴つて宿主の免疫学的監視機構を逸脱し寛容状態を誘導した結果であるとも解釈されている.
 癌巣周辺における間質反応は癌に対する宿主の防衛反応の局所的な形態学的表示であるとみなされる.そこで,腫瘍——宿主相抗の現象として間質反応を観察し,間質反応に参集する細胞群の性格,ないし,機能を把握することは重要である.そして,host-tumor relationshipを解明する出発点としてこの間質反応をcellular level,あるいは,subcellular levelで免疫学的に多角的に解析することも甚だ有意義であるといえる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?