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特集 木本誠二教授退官記念特集
先天性胆道閉塞症の治療
著者: 駿河敬次郎1 平井慶徳1 長島金二1 清宮弘毅1 中島研郎1 尾崎元1 橋本倶男1 河野澄男1 池田舜一1 宮野武1
所属機関: 1順天堂大学医学部小児外科教室
ページ範囲:P.861 - P.868
文献購入ページに移動乳児閉塞性黄疸としては,先天性胆道閉塞症,先天性総胆管嚢腫,あるいは,胆嚢炎等いろいろの疾患があげられるが,これら胆道疾患のうち,先天性胆道閉塞症は,外科的治療の対象となる,もつとも重要なものである.先天性胆道閉塞症は,わが国ではしばしば経験される疾患であり,本邦の小児外科の発展の歴史が欧米に比べて浅いにもかかわらず本症の手術症例50例以上を報告している施設もすでに数多くみられる.一方,欧米では,本症の手術症例数は,わが国に比べるといまだ少ない.したがつて先天性胆道閉塞症は,わが国では欧米に比べて,発生頻度が高いと推定される.本症の発生,診断,治療については,今日なお未解決の問題が多い.われわれも,数年来本症について,いろいろの面より研究を行なつてきたが,今回は,今日までにえられた私どもの研究成績に基づき,本症の治療についてのべる.
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