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文献詳細

雑誌文献

臨床外科23巻8号

1968年07月発行

文献概要

特集 膵・胆・肝の外科

大量の吐血,下血をくり返した胆石による胆道出血の1例

著者: 井上生二1 緒方節夫1 山川良精1 染矢内記1

所属機関: 1大牟田市立病院内科

ページ範囲:P.1201 - P.1204

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はじめに
 吐血または下血をきたす疾患は少なくないが,もつとも多く遭遇するのは,胃,十二指腸の消化性潰瘍であり,ついで胃癌,胃炎,食道静脈瘤などの頻度が高い.しかし,その他に胆石ないし潰瘍に基づく胆道出血のあることを逸するわけにゆかない.その発生例はさほどしばしば見られるものではないが,その故に,他の疾病による消化管出血との鑑別が困難なことが多い.そうして,適切な外科的処置を迅速に行なうことによつて,その出血死を防ぐこともできるのである.
 われわれは,最近上腹部痛を伴う大量の吐血下血を主訴とした患者について,緊急手術を行なつたところ,多数の胆石による総胆管内出血をみとめ,胆のう動脈結紮などの外科的処置によつて幸いに救命治癒しえた症例を経験した.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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