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文献詳細

雑誌文献

臨床外科23巻9号

1968年08月発行

外科の焦点

同種心臓弁移植—とくにその手技的検討について

著者: 田辺達三1 渡辺正二1 村上忠司1 高木正光1 久保良彦1 太田里美1 美阪啓次1 富山三良1 横田旻1 橋本正人1 町田荘一郎1 今井利賢1 杉山誠1 青木高志1 杉江三郎1

所属機関: 1北海道大学医学部杉江外科

ページ範囲:P.1263 - P.1271

文献概要

はじめに
 近年における心臓外科の進展は人工心肺装置の導入により開心術を可能とするとともに,各種の先天性,後天性心疾患において良好な治療成績をあげうるまでに至つた.この中,心臓弁膜疾患においては僧帽弁にしろ,大動脈弁にしろ,弁機構が著しく障害された荒廃弁の治療としては,代用弁による障害弁の完全置換手術を必要とすることが認められてきている.とくに過去5年間,この方面の研究としてStarr-Edwards弁をはじめとして各種の人工弁が広く応用され,人工弁による弁置換手術の詳細な成績検討が多数の施設において重ねられてきた.
 かかる目的に用いられる代用弁としては,各種の人工弁と,同種および異種弁がとりあげられているが,一般に第1表のごとき諸条件が要求される.今日用いられている人工弁は移植手技がほぼ確立されており,随時に適切な大きさのものが入手利用できるという大きい利点をもちながら,弁機構の面では種々の障害や,合併症の発生が指摘されてきた.たとえば本来の弁と全く異なつた特異な構造に伴う占有度の増加による障害,血行動態における異常,耐久性についての不安などがあげられており,さらに血栓形成,塞栓発生などの重大な合併症がさけられないことも症例を重ねるにつれ重要視されてきた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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