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文献詳細

雑誌文献

臨床外科23巻9号

1968年08月発行

特集 脈管造影

脳血管撮影と手術適応

著者: 千ケ崎裕夫1

所属機関: 1東京大学医学部脳神経外科

ページ範囲:P.1273 - P.1286

文献概要

はじめに
 脳血管撮影(cerebral angiography)は,リスボンの精神神経学者Antonio Egas Monizと外科医Almeida Limaの協力により1926年11月始められ,前者により1927年7月最初の発表を見た.脳室撮影や気脳撮影に10年近くもおくれて世に現れたこの方法は,まず欧州とわが国,ついで米国でしだいに普及し,その手技や装置や造影剤の改良発達によつて,ついに前二者に伍して脳,神経外科におけるもつとも重要な診断法のひとつとなつた.しかもこの方面において,わが国は,早くも1929年に椎骨動脈撮影(手術的であつたが)を試みた故斎藤直教授,1932年世界に先がけて経皮的頸動脈撮影を発表しこの診断法の普及に大いに役立つた清水健太郎教授,1949年経皮的椎骨動脈撮影を発表された佐野圭司教授等世界に誇るべき多くの業績があり,そのためか,外国に比べて他の諸検査,例えばisotope scanning, air studyより最も普及した検査法のように思える.
 脳血流は,頸動脈と椎骨動脈とによつて,ささえられているのであるから,脳血管撮影は頸動脈撮影(carotid angiography)と椎骨動脈撮影(ver-tebral angiography)とに分けられる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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