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文献詳細

雑誌文献

臨床外科23巻9号

1968年08月発行

特集 脈管造影

心臓血管造影法

著者: 今野草二1 中島一己1 遠藤真弘1

所属機関: 1東京女子医科大学日本心臓血圧研究所

ページ範囲:P.1301 - P.1312

文献概要

はじめに
 心臓血管造影写真を撮ると,心臓や大血管の形態が明らかになることはもとより,血行動態の概略も知ることができるので,心臓外科にとつては最も大切な検査法のひとつである.血管心臓造影法あるいは選択的血管心臓造影法の適応として従来主に右左短絡疾患が考えられてきたが,その適応もさらに広範囲に拡大されている.すなわち臨床所見,レ線像,心電図で診断の確定しがたい症例および手術を対象として,より詳細な解剖的ならびに血行動態的所見を得ようとする症例には,心カテーテル検査と同時に選択的血管心臓造影法を行なうことが多くなつた.しかもその造影法も種々の体位をとらせ,心臓内のカテーテルの位置を種々にかえて行なつて病変を立体的に把握すべきであるが,しかしそれもなるべく少ない回数で最も効果的な造影像をうる必要があろう.それには造影法を施行する症例につき予想されるべき疾患の病態を熟知し,その解剖関係と血行動態とにより患者の体位と心臓内のカテーテルの位置とを適当に選択して行なう必要がある.
 ここでは諸種の心疾患に関して血管心臓造影法あるいは選択的血管心臓造影法の適応と造影法施行時の患者の体位,心カテーテル先端の位置につきわれわれの日常思考し,実施しているところを記述して参考に供したい.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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