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文献詳細

雑誌文献

臨床外科23巻9号

1968年08月発行

外国文献

高圧酸素中毒の予防,他

ページ範囲:P.1389 - P.1392

文献概要

 HPOの毒性は組織ATP濃度を低下させる点で多くの報告が一致しているが,Sanders(JAMA 20:241,1968)はネズミで0.4MのNa succinateを10〜15mM/kg腹腔内に注入,およびO.4 MNa succ.3容に0.1M Ammonium succinate 1容の混液の腹腔内注入後,1時間してから,100%O2,5,7,9,11気圧で,ケイレンの発生するまでの時間をしらべて,HPO毒性予防効果をうかがつた.腹腔内注で予防法の加えられたのは,5気圧で平均150分(対照40分),7気圧では平均60分(対照17分),9気圧で平均21分(対照10分)というように,ケイレン発生までの時間が有意に延長した.protection rateで表わすと5気圧4.2,1気圧3.9,9気圧3.3.succinateでなくdextroseでは効果なく,malateも全く予防効果がない.Succinate法では脳内Succinate濃度(succ-14Cとして)は注後30分では十分でなく,60分後はmitochondriaの中に十分に入つておりribosomeがやはり取り入れている.つまりsuccinateは血脳関門をくぐつて脳内に入りHPO毒性,ATP低下を防ぐといいうる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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