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文献詳細

雑誌文献

臨床外科24巻1号

1969年01月発行

文献概要

アンケート

<アンケート解説>—4先生の回答を拝見して

著者: 林浩一郎1

所属機関: 1東京大学医学部整形外科教室

ページ範囲:P.127 - P.127

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§1.初期治療について
 初期にあつてはどの先生も安静,固定を重視しておられるのは私もまつたく賛成である.ただその場合患者に無用の心配を与えないために十分なOrientationが必要であろう.森先生のところで患者に渡しておられる注意書きはその意味で大変よい試みと思われる.特に追突された人が全部鞭打ち損傷になるのではないと説明してあることや,2ないし3週の安静も内容を具体的に書いてあるのがよいと思う.桜田先生のステロイドホルモンは私共もかつてかなり使用して一時は後遺症発生を抑制すると考えたが、その後最終的な断を下せず今日に至つている.傷害部位の治癒機転に対してはネガティブなものであるだけに,使用には慎重を要するであろう.遠隔成績などおわかりなら是非教えていただきたいものである.
 岡崎先生のグレード別による治療法も科学的なやり方である.分類法や安静期間がこれでいいかどうかは議論のあるところであろうが,処置法が定めてあれば成績判定により効果の検定もできる.私のところでは初期安静を大体1,3,6週の3段階位にしている.安静はかなり厳重で大便以外起床を許さないが,こういつた生活を3週,6週とつづけるためには患者への十分な説明が必要である.それがないと指示が守られないか,いたずらな不安感を与えるかどちらかである.岡崎先生は初期からCMIで精神面もグレード別の処置をしておられるようであるが,これはかなり余裕がないとできないことであろう.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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