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頸底部の血管損傷,他
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ページ範囲:P.1419 - P.1422
文献購入ページに移動 Neck base,thoracic inletの血管損傷という仲々厄介,Hunt(Arch.Surg.98:586,1969)は1960〜1967間に146例の頸部穿透傷を見た,うち14例に血管損傷があった(carotid 3, vertebral 3, thyrocervical 3,subclavia 3, axillaris 1,内胸1,頸静脈5),carotid-jugular動静脈瘻2例.結局8例が縦隔に達し,胸骨切開ないし開胸を要した.興味ある3例をくわしくのべているが省く.Carotid 3, vertebral 3がいずれも縦隔におよび25分間クランプをかけたが脳症状はおこらなかった.ナイフ損傷は多くは縫合で修復できる.銃弾損傷はend to endないしgraftを要する.14例中3例死亡,その1例は頸静脈損傷でカテを入れたのが原因で血腫をつくり,脳症状死.2例目はsubclaviaで手術は成功したが頸髄傷害で死亡.3例目は2カ月後呼吸麻痺死.合併症は脊髄損傷1,上腕神経叢2,迷走神経1,横隔膜神経2,食道1,肺4,胸管1で,つまり合併損傷を見おとしてはならない.以上のように頸部外傷の10%に血管損傷がおこり,その多くが合併症を伴い,開胸を要することは注目すべきである.
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