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文献詳細

雑誌文献

臨床外科24巻11号

1969年11月発行

特集 腸瘻の問題点

救急的腸瘻

著者: 砂田輝武1 佐藤源1

所属機関: 1岡山大学第二外科

ページ範囲:P.1489 - P.1495

文献概要

はじめに
 腹痛と腹部膨満を主症状とする急性腹症は,時を移さず適切な処置が望まれる.日常虫垂炎による腹膜炎に最もしばしば遭遇するが,諸種原因によるイレウスも多くみられる.近年イレウスの治療成績は著しく向上している1)が,これは術中のみならず術前術後の管理の進歩に負うところが大きく,諸処置の進歩はその病態生理の解明に大いに助けられている.しかし諸家の注目する如く,近年手術に起因するものが激増し,治療に難儀することがある.他方,麻酔や輸液療法が進歩したおかげで,老人や小児の手術適応が拡大され,poor riskの症例を取り扱う機会が増えている.かような症例においては一次的根治術は不可能なことが多く,病状に応じて適切な救命的処置がとられなければならない.個体への侵襲を出来るだけ少なくし,最大の効果を上げるために,救急的腸瘻を作成することは極めて有効であり,今日でもその意義は決して等閑に付されてはならない.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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