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文献詳細

雑誌文献

臨床外科24巻11号

1969年11月発行

文献概要

論説

血管拡張剤と末梢血管疾患

著者: 神谷喜作1 小野木宏1 山下富美夫1 城所仁1 竹内忠孝1 浅井忠亮1

所属機関: 1名古屋大学医学部第一外科

ページ範囲:P.1535 - P.1539

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はじめに
 末梢血管に対する,血管拡張剤使用の目的は,血行障害を起した原因を取除くことよりは,むしろ,血管の攣縮を緩和したり,副血行を形成する血管を拡張せしめることにより,血流を改善して,組織への血流を増加せしめ,血行障害によつて起る各種の症状を軽減せしめることを目的とするものである.
 ここでは,末梢血管疾患として,動脈の閉塞性疾患である,閉塞性動脈硬化症,バージャー病,機能的疾患として,レイノー病,レイノー症候群を考え,冠状動脈,脳の血管に対する作用を,主目標とするものや,降圧剤としての血管拡張剤は,考えないことにする.従来より用いられている血管拡張剤で主なものおよび最近新しく開発されたものについて,主として薬理学的見地から,その作用機序に検討を加え,これを分類し,末梢血管疾患における,血管拡張剤使用の問題点に,触れてみたいと思う.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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