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症例
腎盂—回腸—膀胱吻合術による治験例について
著者: 堀内誠三12 富田義男1 大鳥博幸1 横山正夫1
所属機関: 1三井厚生病院皮膚泌尿器科 2現在:東京逓信病院沁尿器科
ページ範囲:P.1583 - P.1589
文献購入ページに移動尿管の狭窄はいろいろの原因によつて起り,水腎,水尿管症となり,腎機能は低下する.これらの例では障害を除去すると腎機能は著しく改善することもまれでない,この為に種々の手術法が応用されるが,狭窄の位置や範囲に従つて,腎瘻術,尿管瘻術,尿管膀胱再吻合術,膀胱壁を利用した尿管膀胱吻合術等がある.しかし最近は回腸を利用して尿管を代用する方法が盛んになつて来た.われわれも回腸を利用する手術をすでに10例に行なつた.このうち,腎結核による尿管狭窄と萎縮膀胱のある症例で,尿毒症となつて入院し,腎瘻術を行ない,次いでGoodwinのCup-patch法による回腸膀胱成形術を行なつた.
再び尿管狭窄を来し,尿管の形成術を行ない,不成功に終り,最後に腎盂・回腸・膀胱吻合術を施行し,良好な結果を得たので,症例の経過を報告し,本手術の適応,術式,手術に対する注意等を簡単にのべ,御批判を仰ぎたい.
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