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文献詳細

雑誌文献

臨床外科24巻12号

1969年12月発行

文献概要

特集 全身状態とSurgical Risk

麻酔とSurgical Risk

著者: 山村秀夫1 清水礼寿1

所属機関: 1東京大学医学部麻酔科

ページ範囲:P.1617 - P.1623

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はじめに
 手術のための麻酔を行なう場合,患者の全身状態を出来るだけ正確に把握することは最も重要な仕事の一つである.この際の麻酔科医はphysician-anesthesiologist,すなわち内科医であり,physicalexamination,心電図,X線写真,臨床検査成績,さらに外科医の要望や意見を参考にして,麻酔法や麻酔剤の選択および酸素療法,輸血,輸液,電解質や酸塩基平衡の補正等を含めた術前,術中,術後の管理方針の決定などを行なわなければならない.これを行なうことは,必ずしも容易ではないが,一応のめやすとしてSurgical risk(手術危険度)といわれているものがある.これにはいろいろな分類があるが,Woodbridgeは,これを次の4つに分けている.
 a)good risk:手術に何の危険のないもの
 b)fair risk:1つあるいはそれ以上不利な因子があるが,手術は大して危険なく出来るもの
 c)poor risk:術前の準備を充分しなければ危険を伴うもので,手術は出来るだけ侵襲を少なくし,麻酔も無害なものをえらばなければならないもの.
 d)serious risk:手術は危険で出来ないような状態のもの.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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