icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床外科24巻12号

1969年12月発行

文献概要

特集 全身状態とSurgical Risk

出血性疾患(素因)とSurgical Risk

著者: 別府俊男1

所属機関: 1東京女子医科大学脳神経外科

ページ範囲:P.1659 - P.1667

文献購入ページに移動
はじめに
 手術侵襲は人為的に何らかの血管損傷を加えることを意味し,これに伴って出血が起る.外科医は経験的に小血管,毛細血管よりの出血は一定時間内に自然に止血し得ることを知つており,特別の顧慮を払わない.
 この自然の止血が進行するための血液凝固機序に一旦破綻が生ずると,出血局所に対してどのように処置しても止血出来ず,難渋することがある.生体において血液凝固機序の破綻が起つたものは出血性素因と呼ばれ,往々出血により術中,術後,重大な障害により重篤となり,時に死亡することもあり得る.このような場合,われわれの対処し得る手段は案外微力なのである.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?