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論説
食餌性異常発汗—耳介側頭神経(Frey)症候群を中心として
著者: 大河原重久1
所属機関: 1エジンバラ大学脳神経外科
ページ範囲:P.1703 - P.1710
文献購入ページに移動はじめに
耳下腺の化膿,外傷,手術後同側の耳前部皮膚に奇異な発汗異常を示す症例のあることは古くより知られてきている,1957年Duphenix13)は耳下腺膿瘍切開後の患者で,食事毎に耳前部に多量発汗を示す症例を記載したが,以後同様な症例が次第に多く報告されてきた.Baillarger4)(1853)は両側性の症例を報告し,Bergoumhioux5)(1859),Botkin6)(1875)等により症例が追加されたが,いずれも"la sudation pathologique stait conse-cutiu a une supPuration de la glande parotide"とのみ述べられてきた.
1923年Lucie Frey19)は25歳の青年で銃弾により発生した耳下腺膿瘍後,食事毎に多量発汗が耳前部皮膚に生ずる症例を報告した.発汗部が耳介側頭神経の分布領に一致することを見出し,この神経の解剖学的特性を考察した後,Le Syndromedu nerf auriculotemporalと命名した.以来この述者の名に因んでFrey Syndromeとも称せられている.
耳下腺の化膿,外傷,手術後同側の耳前部皮膚に奇異な発汗異常を示す症例のあることは古くより知られてきている,1957年Duphenix13)は耳下腺膿瘍切開後の患者で,食事毎に耳前部に多量発汗を示す症例を記載したが,以後同様な症例が次第に多く報告されてきた.Baillarger4)(1853)は両側性の症例を報告し,Bergoumhioux5)(1859),Botkin6)(1875)等により症例が追加されたが,いずれも"la sudation pathologique stait conse-cutiu a une supPuration de la glande parotide"とのみ述べられてきた.
1923年Lucie Frey19)は25歳の青年で銃弾により発生した耳下腺膿瘍後,食事毎に多量発汗が耳前部皮膚に生ずる症例を報告した.発汗部が耳介側頭神経の分布領に一致することを見出し,この神経の解剖学的特性を考察した後,Le Syndromedu nerf auriculotemporalと命名した.以来この述者の名に因んでFrey Syndromeとも称せられている.
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