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文献詳細

雑誌文献

臨床外科24巻2号

1969年02月発行

文献概要

外科の焦点

肝癌の外科的治療—肝葉切除とその予後を中心に

著者: 中島佐一1 寺脇朝治1

所属機関: 1奈良医科大学第一外科教室

ページ範囲:P.161 - P.172

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はじめに
 近年,いずれの臓器の癌も,増加の傾向にあるといわれているが,その中でも肝癌は特に増加の大きい疾患として注目され,宮地1)による1946〜1955年迄10年間の剖検例による統計では,悪性腫瘍死の中で肝癌による死亡は第6位であるが,胆道,胆のうの癌を含めれば,胃癌,白血病,肺癌に次いで第4位となり,肺癌とほとんど変りのない数字である.昭和40年度の厚生省の全国統計2)でも,また,奈良県の40年,41年度の統計3)においても,肝癌死亡者は胃癌に次いで第2位となつている.
 原発性肝癌は,その経過が極めて早く予後不良な疾患であることは定説となつており,1951年のBerman4)の有名な著書においても,肝癌75例のうち,症状の発現から4ヵ月以上生存した例はなく,入院期間の最長は81日であると記載されている.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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