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文献詳細

雑誌文献

臨床外科24巻2号

1969年02月発行

文献概要

特集 乳腺疾患—その診療の進歩

乳癌根治手術

著者: 山本泰久1

所属機関: 1岡山大学医学部第1外科

ページ範囲:P.251 - P.257

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はじめに
 Halsted15),Haagensen10),Meyer29)らにより確立された根治的乳房切断術が乳癌根治術の一般的方法,すなわち,「定型的根治術」33)として広く行なわれてきたが,最近になり鎖骨上リンパ節,胸骨傍リンパ節などをも郭清する拡大根治術20,22,36),が行なわれるようになつた.他方,Crile1,2,4,5),McWhirter26,27,28)ら一部の学者等は,simple ma-stectomyと術後補助療法の併用,あるいは腋窩リンパ節(外側群)郭清と深部照射の併用療法により定型的根治術に劣らない治療成績をおさめている.
 またM. pectoralis majorを残す手術方法など,愛護的な方法をとなえるものと,癌に対して破壊的に戦いをいどむべきであると主張するものとがあり,わが国でも,乳癌研究会「取扱い規約」30)にしたがつて,必ずしもその治療が行なわれてないのが現状のようである.しかしながら乳癌の外科治療はリンパ節転移率,10年生存率などよりみても,その趨勢は拡大根治術,en bloc摘除の方向に向つていることも事実である.われわれの教室でも過去Halsted15),Meyer29)の定型的根治術をおこなつてきたが,最近になり拡大根治術をおこなうべきであるという考え方にもとづいて,乳癌根治術のモデルを作つたので紹介する.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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