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文献詳細

雑誌文献

臨床外科24巻3号

1969年03月発行

講座

ショックの診断と治療—〈1〉Hypovolemic Shock

著者: 隅田幸男1

所属機関: 1国立福岡中央病院心臓血管外科

ページ範囲:P.428 - P.437

文献概要

はじめに
 これからのShockの診断と治療は,定量化された一定の形式に従つて行なわなければ治療成績の向上は望めない.その意味で,まず第1表を見ていただきたい.大事なことは,表中の事項を1つ残さずチェックし,連続的に記録することである.チェック出来ない項目が1つでもあれば,その1つを求めるべくあらゆる努力を払わねばならない.臨床経験による直感とad-libも大切であるが,1つのerrorが致命的とさえなるShockの治療においては,Trial and Errorの繰返しは絶対に許されるべきではない.
 Shockという言葉の定義はむずかしい.Ana-phylaxy,熱傷,脱水,感染,外傷,出血,などと,互に何の関連性もない広範囲の原因で生じる病態をShockという唯一つの診断名で表現しようとするためである.ここでは仮りに,Shockとは原因の如何を問わず,重要臓器の循環動態の失調によつて生じる"死の前兆"のようなものであつて,生活機能の極度に低下した状態の臨床的な呼び名(合詞)であるとしておこう.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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