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文献詳細

雑誌文献

臨床外科24巻4号

1969年04月発行

文献概要

特集 緊急手術適応のきめ手

腹部のいたみ

著者: 藤田五郎1

所属機関: 1自衛隊中央病院外科

ページ範囲:P.497 - P.502

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はじめに
 身体のどの部分のいたみについても共通な問題であるけれども,とくに,腹部のいたみぐらい,その性状を詳細に分析していけばいくほど,診断を的確にするのに役だつものはない.
 日々,急患を診療していて,主訴としての腹痛は数多い.初診,初療の段階において,このサインをなるべくじようずに,速やかに分析して,急いで開腹すべき疾患群であるかどうか,また,少なくとも入院が必要であると判断するかどうかの手がかりになるものについてのべてみたい.現実には,急性腹症(acute abdomen)という診断のもとに,しばらく経過を観察する症例も少なくない."腹痛"というものは,その関連している臓器があまりにも多いので,その一断面からだけ観察してその性状をつかむことがいかにむずかしいかは,たびたび経験することろである.とくに,乳・幼少児の腹痛の場合,主観的な感覚の内容を明確に把握できないために苦労することが少なくない.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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