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文献詳細

雑誌文献

臨床外科24巻4号

1969年04月発行

文献概要

講座

ショックの診断と治療—〈2〉Bacterial Shock

著者: 隅田幸男1

所属機関: 1国立福岡中央病院外科

ページ範囲:P.565 - P.572

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 感染に伴うshockをbacterial shockという.これは細菌が血流を侵襲することによつて生じる.抗生剤に自然耐性を有していたり,菌交代現象として競合いに打克ってきた細菌によるbact-erial shockは特に重症である.なかでも,Pseu-domonas, Esherichia, Aerobacter, Klebsiella, Proteusなどのグラム陰性桿菌のendotoxinによるshockは次第に深刻となってきている.グラム陰性桿菌感染症は診断が困難であり,それによるshockは重篤であり,予後は絶望的に悪い.したがつて今日のshockに関する研究の焦点はendo-toxin shockであると言っても過言ではなくbact-erial shockの代名詞のようにさえ受取られている.
 Boston市立病院ではグラム陰性桿菌感染症は,1957年では1935年の4倍となり,Mayo Clinicでは1940年から1959年にかけて増加の一途をたどっている.本邦でも外科領域における術後感染症の起炎菌としては,米国より数年おくれて1962年から1963年頃を境としてグラム陽性のブドー球菌とグラム陰性の桿菌とが入れ替わってきている.1967年の第17回日本医学会のsymposiumでもグラム陰性桿菌感染症が取り上げられている(第1図).

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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