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文献詳細

雑誌文献

臨床外科24巻5号

1969年05月発行

文献概要

臨床メモ

ステロイド大量投与法とその副作用の防止法

著者: 原田範夫1

所属機関: 1岩手県立中央病院脳神経外科

ページ範囲:P.668 - P.668

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 近年,脳外傷または脳腫瘍の重症例,またはそれら症例の術後に大量のステロイドを投与し,脳浮腫を予防あるいは治療する方法が試みられて画期的な効果を挙げているのは周知の事実である.ステロイド大量療法の効果はときには劇的でさえあるが,しかし,その副作用を充分に念頭に置き最初からその対策を講じておかないと,折角救命し得た大事な症例を副作用のために失なつてしまうようなことにもなりかねない.
 ステロイド大量療法の副作用のうちで主なるものは,胃十二指腸潰瘍,糖尿病,高血圧,感染症や結核の悪化などである.臨床的に私が直接使用してみた経験では,各種ステロイドのうちでは,コーチゾンは精神刺戟・浮腫・高血圧・満月顔などを,プレドニゾロンは糖尿を,デキサメサゾンは精神刺戟を起し易い.しかしベタメサゾンは潰瘍や糖尿を起すことが少ないので専らこれを愛用している.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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