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文献詳細

雑誌文献

臨床外科24巻5号

1969年05月発行

文献概要

特集 臨床麻酔の問題点

小児麻酔での注意

著者: 山本亨1

所属機関: 1日本大学医学部麻酔学教室

ページ範囲:P.669 - P.674

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Ⅰ.小児麻酔と成人麻酔の差
 小児の麻酔を成功させるために大切なのは,小児と成人の差を十分に理解することである.
 麻酔下の小児においてもっとも起こりやすい合併症は,成人の場合と異り,循環系の合併症よりも,呼吸系のものが主である,たとえば小児では気道が非常に狭いので.気道分泌液,麻酔器具あるいは首の異常な位置によつて,容易に気道が閉塞されやすい.小さい口腔にくらべて,舌が比較的大きいこと,扁桃腺やアデノイドの肥大が多いことが特長である.このような軟部組織による気道閉塞を防ぐのに,成人では下顎の挙上を行なうが,小児ではこの方法は必ずしも有効でない.方法はケースによって異なるが一般に,下顎挙上で口を閉じるより,口をやや開く方がよい場合が多い.術者の指による口底への圧迫が気道の閉塞を助長することもある.患者を横臥位におくと術後の気道閉塞を起すことが少ない.口腔手術のあとなどは横臥位で頭をやや低くすると血液が口外に流出するので都合がよい(tonsil position).

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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