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外科的立場からみた内分泌疾患の治療
上皮小体
著者: 瀬田孝一1
所属機関: 1岩手医科大学第一外科
ページ範囲:P.775 - P.781
文献購入ページに移動はじめに
上皮小体の疾患は他の内分泌腺疾患と同様に,主にそのホルモン分泌異常によりもたらされる機能亢進症および機能低下症とに大別される.外科的治癒の対象としては,上皮小体機能亢進症においては,腺腫,一次性過形成および癌腫による原発性,および主として腎不全による続発性,さらに自律性続発性機能亢進症ともいうべき三次性の機能亢進症1)があげられ,一方,機能低下症においては,顕性テタニーの持続あるいは内科的治療に遷延する続発性あるいは甲状腺手術後上皮小体機能低下症がある.この他,非機能亢進性上皮小体腺腫あるいは上皮小体嚢腫などもときに手術治療の対象となる.また偽性上皮小体機能低下症にて Thyrocalcitonin過剰分泌がみられるものでは甲状腺摘除が必要となる2)3).
ここでは,主として原発性上皮小体機能亢進症ならびに甲状腺手術後上皮小体機能低下症に対する外科的治療について述べる.
上皮小体の疾患は他の内分泌腺疾患と同様に,主にそのホルモン分泌異常によりもたらされる機能亢進症および機能低下症とに大別される.外科的治癒の対象としては,上皮小体機能亢進症においては,腺腫,一次性過形成および癌腫による原発性,および主として腎不全による続発性,さらに自律性続発性機能亢進症ともいうべき三次性の機能亢進症1)があげられ,一方,機能低下症においては,顕性テタニーの持続あるいは内科的治療に遷延する続発性あるいは甲状腺手術後上皮小体機能低下症がある.この他,非機能亢進性上皮小体腺腫あるいは上皮小体嚢腫などもときに手術治療の対象となる.また偽性上皮小体機能低下症にて Thyrocalcitonin過剰分泌がみられるものでは甲状腺摘除が必要となる2)3).
ここでは,主として原発性上皮小体機能亢進症ならびに甲状腺手術後上皮小体機能低下症に対する外科的治療について述べる.
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