文献詳細
文献概要
外科的立場からみた内分泌疾患の治療
Basedow病の外科的治療
著者: 伊藤国彦1
所属機関: 1伊藤病院
ページ範囲:P.783 - P.789
文献購入ページに移動はじめに
抗甲状腺剤や131Iの使用により著るしい進歩がみられる現在のBasedow病の治療体系の中で,本症に対する外科的治療の価値は次第に軽視される傾向がある.今日一般の病院ではBasedow病患者は内科や放射線科で治療されることが多く,外科医の対象になる症例は稀である.
1940年代の後半に抗甲状腺剤が使用されるようになったが,それまでは確実なBasedow病の治療は手術以外には求められなかった.本剤の普及により,一時は本症の治療はすべて内科的に解決されたと考えられた,しかし経験を重ねるにしたがい,抗甲状腺剤のみで永久治療が期待出来る症例は,本症の中でも限られた一部のみであり,本剤による治療はBasedow病治療のすべてにはなり得ないことが認識されてきた.
抗甲状腺剤や131Iの使用により著るしい進歩がみられる現在のBasedow病の治療体系の中で,本症に対する外科的治療の価値は次第に軽視される傾向がある.今日一般の病院ではBasedow病患者は内科や放射線科で治療されることが多く,外科医の対象になる症例は稀である.
1940年代の後半に抗甲状腺剤が使用されるようになったが,それまでは確実なBasedow病の治療は手術以外には求められなかった.本剤の普及により,一時は本症の治療はすべて内科的に解決されたと考えられた,しかし経験を重ねるにしたがい,抗甲状腺剤のみで永久治療が期待出来る症例は,本症の中でも限られた一部のみであり,本剤による治療はBasedow病治療のすべてにはなり得ないことが認識されてきた.
掲載誌情報