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文献詳細

雑誌文献

臨床外科24巻6号

1969年06月発行

文献概要

海外だより

パリ消化器病研究所

著者: 島津久明1

所属機関: 1東京大学医学部石川外科

ページ範囲:P.836 - P.838

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 パリの北端ボルト・ド・サントゥアンで地下鉄を降りると,すぐその街角にパリ大学医学部に付属する病院の一っHôpital Bichatがある.モンマルトルの丘の北側斜面の裾野に拡がるこの界隈は,灰色のすすけたアパートや商店街が密集たていわゆる下町的雰囲気に包まれた一帯である.隣りの四つ辻ボルト・ド・クリニァンクールではパリ名物の一つ「ノミの市」も毎週末に開かれている.ニイ街道の歩道一杯に接して黄土色の古いレンガ造りの建物が立ち並び外から見るとあまり病院という印象を与えない.著者はこの敷地の一隅にある消化器病研究所で約1年半の期間その研究活動の一環に加わつて滞在した.数年前に新設されたばかりのこの研究所は国立健康・医学研究機関に所属する一分科施設でここだけが近代的な装いをもち,昔ながらの古めかしい臨床病棟の間で異色を放つている.所長のS.Bonfils教授は同病院内科の主任を兼任する当年46歳の気鋭の学者である.十数名の研究員と約20名のテクニシァンで構成されるこの研究所は決して大規模な施設ではないが,生化学・免疫・生理・病理・電顕・アイソトープなどの部門に細分され,所長がLambling教授の助手時代から手がけている胃分泌の研究に主力をおいて精力的な活動を行なつている.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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