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文献詳細

雑誌文献

臨床外科24巻7号

1969年07月発行

消化器外科症例集 症例

特発性食道破裂の1治験例

著者: 織畑秀夫1 太田八重子1 別府俊男1 倉光秀麿1 山中爾朗1 荒井康温1 鈴木睦郎1 赤羽根巌1 飯田直衛1 仙頭茂1

所属機関: 1東京女子医科大学 第二外科学教室

ページ範囲:P.901 - P.907

文献概要

 特発性食道破裂は珍らしい疾患であり,突発的に悪心,嘔吐発現後に上腹部激痛,胸痛,呼吸困難,チアノーゼなどを呈し,ショック状態となり,急速に重篤な状態に陥ることが多い.しばしば他の急性腹症あるいは急性胸症と誤診されやすい疾患である.本症は本邦での報告は現在まで15例で,外国ではBoerhaave以来約300例近くの報告がなされている.
 当教室において,最近悪心,嘔吐発作後,次第に心窩部激痛に進展し,ショック状態にて来院して,十二指腸潰瘍穿孔の疑いのもとに開腹し本疾患と判明した1例を経験した.以後興味ある経過を辿ったが,現在では危機を脱し軽快した.生存例としては本邦で本症例が4例目である.この1例を中心として,特に本疾患の症状,診断,治療などに関しては本邦例,外国例を参考としつつ検討してみた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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