文献詳細
文献概要
救急医講座
頭部外傷の治療—救急処置から社会復帰まで—<3>重症頭部外傷患者の経過・リハビリテーション
著者: 西村謙一1
所属機関: 1九州労災病院脳神経外科
ページ範囲:P.1160 - P.1165
文献購入ページに移動Ⅴ.重症頭部外傷患者の経過
前回は頭部外傷患者のベッドサイドの治療について述べたが,以後の治療を論ずるにあたり,必要と思われるので重症頭部外傷患者の経過を簡単に記そう.
交通事故にせよ,災害事故にせよ,頭部だけの損傷であつても,最重症例は治療をうけるまでにその場で死亡してしまう.また,直ちに医療機関に運ばれて適確な処置が行なわれたとしても一部は救命できない.手術療法の適応があり,速やかに手術が行なわれた頭蓋内血腫例や非手術的にベッドサイドで治療が行なわれた症例であつてもやはり一部は死亡をまぬかれない.特に,来院時両瞳孔が散大し,対光反射なく,痛覚にも全く反応しない昏睡例はたとえ,最初は血圧や脈搏が比較的によくてもほとんど絶望的である.
前回は頭部外傷患者のベッドサイドの治療について述べたが,以後の治療を論ずるにあたり,必要と思われるので重症頭部外傷患者の経過を簡単に記そう.
交通事故にせよ,災害事故にせよ,頭部だけの損傷であつても,最重症例は治療をうけるまでにその場で死亡してしまう.また,直ちに医療機関に運ばれて適確な処置が行なわれたとしても一部は救命できない.手術療法の適応があり,速やかに手術が行なわれた頭蓋内血腫例や非手術的にベッドサイドで治療が行なわれた症例であつてもやはり一部は死亡をまぬかれない.特に,来院時両瞳孔が散大し,対光反射なく,痛覚にも全く反応しない昏睡例はたとえ,最初は血圧や脈搏が比較的によくてもほとんど絶望的である.
掲載誌情報