文献詳細
外科の焦点
文献概要
はじめに
外傷による下気道の損傷を適切に治療した報告例は決して多くない5)7)10)16),ところが近年自動車交通事故の激増に伴い頸部・胸部外傷の患者はかなり多く,実際には下気道損傷の症例もかなりの数にのぼる筈である.しかし実際にはこれらの下気道損傷の患者の中には何らの治療も受けないうちに死亡している例が多い.否,下気道の損傷にさえ気付かぬままに死亡していることも多いように思われる.
これらの下気道損傷は決して致命的ではなく,適切な治療を行なうことによつて救命し得べき筈のものである.以下,下気道損傷の病態を述べると共に,下気道の損傷は早期に気道を確保し,肺虚脱を治療しつつ,損傷した気管・気管支を観血的に処置することによつて救い得ることを解説したいと思う11).
外傷による下気道の損傷を適切に治療した報告例は決して多くない5)7)10)16),ところが近年自動車交通事故の激増に伴い頸部・胸部外傷の患者はかなり多く,実際には下気道損傷の症例もかなりの数にのぼる筈である.しかし実際にはこれらの下気道損傷の患者の中には何らの治療も受けないうちに死亡している例が多い.否,下気道の損傷にさえ気付かぬままに死亡していることも多いように思われる.
これらの下気道損傷は決して致命的ではなく,適切な治療を行なうことによつて救命し得べき筈のものである.以下,下気道損傷の病態を述べると共に,下気道の損傷は早期に気道を確保し,肺虚脱を治療しつつ,損傷した気管・気管支を観血的に処置することによつて救い得ることを解説したいと思う11).
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