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文献詳細

雑誌文献

臨床外科24巻9号

1969年09月発行

文献概要

特集 緊急手術の手技・Ⅰ

胃・腸管出血

著者: 長尾房大1 池内準次1

所属機関: 1東京慈恵会医科大学第二外科教室

ページ範囲:P.1243 - P.1246

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はじめに
 胃腸管からの大量出血は,いわゆる吐血・下血の現象として,われわれ臨床医にとつては,日常しばしば遭遇する疾患の一つであり,この出血対策として,常に手術の適否,あるいは要不要が問題にされているものである.常識論的にいえば,手術すべき時に手術をするということにつきるのであるが,さて,この判断が,実にまちまちであり,出血対策上の混乱を招いている.これは,内科側なり,外科側なりが,それぞれ自分達のとりあつかつた症例側からの一方的見解にもとづいて論議を組みたててきたための混乱であり,それぞれの立場からみると決して間違いではないが,全体総括的に,一つの疾患を内,外科両側から密接な連絡の下に観察することが等閑視されていたためでもある.また,その原因のひとつに,自然止血の可能性の問題があり,手術的対策の是非に対する論議の分界点の一つになつている,内科的療法を是とするものは,自然止血の可能性を高く評価し,保存的療法で十分救命できるので手術的療法はその必要がない場合が多いという方針であり,一方,外科的療法を支持するものは,自然止血の可能性に未練をもちすぎて,手術の時期を失することの危険性を主張して,手術による永久的止血が最も安全であると主張するものである.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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