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文献詳細

雑誌文献

臨床外科25巻10号

1970年10月発行

文献概要

特集 熱傷の早期治療 総説

第Ⅲ度熱傷の局所療法

著者: 関口忠男1 外山紘三1 福島弘毅1 柿田紀男1 大野満1 八木義弘1 林周一1

所属機関: 1順天堂大学医学外科

ページ範囲:P.1497 - P.1502

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はじめに
 第III度熱傷の早期治療はいろいろな点で問題が多くむずかしいものである.ことに広範囲熱傷では,必ず種々の程度の熱傷が混在し,その深さの診断が困難な場合が多い.従つて受傷直後から第III度熱傷創面のみに特別な治療を行なうことは不可能で,大抵の場合は開放療法か,閉鎖療法かにより創面すべてを治療しながら経過をみて,第Ⅲ度熱傷を診断し,その治療に移行することになるわけである.第Ⅲ度熱傷の治療のありかたは,どんな場合でも,第1に感染の防止と敗血症の防止である.第2には壊死組織の除去,第3には良性肉芽の形成促進,第4には自家植皮の前段階としての一時的修復であり,第5には自家植皮による創面の修復である.この点に関して順次述べて行くのであるが,今回は特に,壊死組織の除去の方法について多少詳しく述べたいと思う.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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