icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床外科25巻11号

1970年11月発行

文献概要

特集 輸液の臨床

脳外科手術と輸液

著者: 坪川孝志1

所属機関: 1日大医学部脳神経外科

ページ範囲:P.1675 - P.1682

文献購入ページに移動
はじめに
 脳外科の手術後における水分,無機物質ならびにその他の物質代謝の変動は,一股手術の際にみられる変動(Moore 1952)と基本的には同一傾向を示すとされてきた(Wise 1956, 1959, McLaurinら1960).つまり手術直後は水分とNaの貯溜,K排出がみられ,体蛋白が崩壊し,負の窒素平衡に陥る.このCatabolic phaseからAnabolic phaseに手術後2〜3日目頃に移行し,次第に諸代謝は正常化へむかうのである.したがつて,脳手術後の輸液は,この代謝異常による欠損の補充と,生体の維持量を投与していく方針をとれば良いことになる.
 しかし,実際には,脳手術後の代謝面での変動ならびに輸液による損傷脳の反応にもいくつか特異な面があるので,それに対処しなければならない.その特異点をまとめると,以下の7項目に総括することができる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?