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文献詳細

雑誌文献

臨床外科25巻12号

1970年12月発行

文献概要

特集 Silent Disease

集団検診,人間ドックにて発見されるSilent Diseases

著者: 有賀槐三1 岩崎政明1

所属機関: 1日本大学医学部内科

ページ範囲:P.1785 - P.1791

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はじめに
 集団検診(以下集検と略す)やドックで発見される患者は,ある意味ではすべてSilent Diseaseということができる.自覚症状があり,これを主訴として病院外来を訪れるものとは異なり,集検やドックを受診するものは,症状が全くないか,あるいは多少の自覚症があつたとしても,その症状を医師に訴えようとする積極的な意志がなく,問われれば答えるという消極的なものでしかない.また,あるいは相当な症状がありながらそれが重要な意味を持つていると気づかないもの,さらに集検の場合には,気づきながら仕事の都合等で受診する機会のなかつたもの,受診することを躊躇しているもの等も含まれている.それらが,集検という場が提供されることにより,検査を受け,その中から重要な疾患が発見される.このことか,すなわち広い意味でのSilent Diseaseから疾患を拾い上げ適切な治療をするという集検の目的となるのである.ドックはその目的は,集検と同じである.発見される疾患の性質も似ている.しかしそれを受診する者の意識の間には相当の違いがあり,ドックの場合は個人の意志が強く出ている.このために発見された疾患に対する受診者の態度もやや異なり,同じSilent Diseaseであつても治療に対する積極さに差がみられる.
 いずれにしても集検やドックにより発見される疾患は今回のテーマSilent Diseaseそのものということができる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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