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文献詳細

雑誌文献

臨床外科25巻12号

1970年12月発行

特集 Silent Disease

甲状腺のSilent Disease—とくに甲状腺潜在癌について

著者: 伊藤国彦1 西川義彦1 原田種一1 鈴木琢弥1 百渓尚子1

所属機関: 1伊藤病院

ページ範囲:P.1825 - P.1830

文献概要

はじめに
 甲状腺疾患の分野では,Silent Diseaseの概念に相当する症例に遭遇することが多い.
 甲状腺疾患は,甲状腺の機能的変化と,甲状腺そのものに現われる器質的変化とが組み合わされて,それぞれの特有な臨床像を呈してくる.甲状腺の機能的疾患の場合では甲状腺疾患と気づかずに他の疾患として治療されている場合がある.すなわち,心症状や糖尿等が前景に立つて,甲状腺機能亢進症状が見落されていることがある.極端な場合には,他の手術,とくに開腹術などを受けて,急激にThyroid stromにおちいり,はじめて甲状腺機能亢進症の存在に気づいたりする場合もある.逆に甲状腺機能低下症の場合には,あるいは腎疾患とされていたり,あるいは年齢的な変化等として片づけられていることがある.これらはいずれもSilent Diseaseというよりも誤診あるいは見逃されている場合である.これに反して甲状腺機能の異常がない甲状腺疾患では,甲状腺腫そのものが唯一の特徴である.したがつて甲状腺腫に気づかない限りは医師を訪れることがない.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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