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文献詳細

雑誌文献

臨床外科25巻12号

1970年12月発行

特集 Silent Disease

乳腺のSilent carcinoma

著者: 久野敬二郎1

所属機関: 1癌研究会附属病院外科

ページ範囲:P.1831 - P.1835

文献概要

はじめに
 乳腺のoccult carcinomaあるいはsilent car-cinomaとは古典的には,臨床上乳房に異常所見を認めないで,腋窩リンパ節転移を認めた乳癌をさしている.一番多く用いられている名称はoccult carcinomaであり,Silent carcinomaあるいはhidden carcinomaともいい,latent car-cinomaとゆう名称を用いている人(Lewison)7)もいるが,普通latent carcinomaは臨床的の癌に相対して用いられ,前立腺癌が長期間無症状で存在し,剖検で初めて発見されるようなものに用いられている.
 乳癌は殆どすべての例が乳房に腫瘤をふれる.原発病巣の大きさと腋窩転移の有無とは強い関係がある.しかし多くの症例の中には乳癌は大きいが腋窩転移のないものや,乳癌は小きいが腋窩転移の大きいものがある.この両者の間には移行があるが,後者の極端な例が腋窩転移をふれるが原発巣をふれないsilent carcinomaといえる.一般に前者は悪性度の低いもので,後者は悪性度の高いものといわれている.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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