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外科の焦点
電子計算機のX線診断への応用—(2)読影所見の整理と論理診断
著者: 梅垣洋一郎1
所属機関: 1国立がんセンター放射線診療部
ページ範囲:P.159 - P.172
文献購入ページに移動 電子計算機のもつ能力の中で最も重要なものは,大量の情報を記憶することができ,また,必要な情報を記憶の中から検索することができるという点である.情報社会といわれる今日ではコンピュータを利用しない産業はないといつてよいくらいであるが,医療はその性質上その利用がもつともおくれた分野になつている.コンピュータに情報を記憶させ,これを利用するためにはまずすべての情報を標準化し,コード化する必要がある.ところが医学には数限りない用語があり,その使い方も統一がとれていないのが実情である.しかも医療は1人1人の患者を取り扱うので,決して大量生産的な仕事ではない.病院の規模も1,000床どまりであつて,企業としては中以下に属する.従つてコンピュータを実用化するに要する困難さに較べて,実用化によつて得られるメリットが少ないと考える入が多い.しかし現実の問題として病院は医療技術のレベルアップにともなう業務および情報量の急速な増大を処理する一方,サービスの改善の要求を満さねばならず,病院管理および経営の面で大きな困難に直面している.今後医療の質を向上させるには否応なしにコンピュータによる情報処理を実用化しなくてはならないといつてよい.
X線診断は医療情報のコンピュータ化の中では最も早く手をつけられた領域である.多くの国では放射線科の組織が確立されていて,X線診断の結果は診断リポートの形で病歴にファイルされ,利用されている.
X線診断は医療情報のコンピュータ化の中では最も早く手をつけられた領域である.多くの国では放射線科の組織が確立されていて,X線診断の結果は診断リポートの形で病歴にファイルされ,利用されている.
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